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簿記の学習

簿記3級を飛ばすと2級が大変な理由は積み上げ式の学習だからです

簿記の学習は何級から始める? 簿記の学習
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私が簿記2級までの資格取得をするために学習を通して分かったことは、簿記は積み上げ式の学習だということです。前回、「簿記を必要とする企業では2級が求められる」の記事で企業の求人案件で簿記何級が一番多いのかを調査した結果、簿記2級が最多の7割であることがわかりました。

簿記の学習を難度の高い級から始めたら積み上げ式なのでダメな理由

私は、簿記の資格を取るにあたって、始めに2級を取得しようとしました。そこで、私は簿記2級の学習から始めようとしましたが、3級で学習することが2級では説明が無く知っている前提で参考書などの話が進んでいました。

私は3級で学んでいたであろう知識を何も知らない状態でした。

そのため、2級から学習することを諦め、3級からコツコツと学習を始めました。

遠回りのように見えますが、3級の学習を終えてから、2級の学習に取り掛かってみると、これまで見えてこなかった内容が見えるようになりました。例えば最初は仕訳についてわからなかったのですが、3級から始めると仕訳についての基礎知識を得たので問題を理解することができました。それで簿記は積み上げ式の学習ということが分かりました。

この積み上げ式の学習というのは、みなさんも義務教育などで経験している教科でいうところの、数学や英語と同じです。歴史や地理などの暗記学習とは違い、ある知識を用いて次のステップの考えを進めていく学習のことです。

簿記がどうして積み上げ式の学習なのかについて書いていきます。

このページでは、3級から学習を始めるべきという考えの根拠を書いていきます。

簿記は暗記ではなく数学や英語と同様に基礎を理解する必要がある

積み上げ式の勉強とは土台となる基礎を勉強しないと、応用の問題の意味を理解しても正解にはたどり着けないということです。

数学の例①「三角形の面積」

たとえば、参考にあるページのように数学の問題を例にとります。

「三角形の面積」を求めるとき、必要なのは基礎である「計算」と応用である「面積を求める公式」です。

面積を求める公式が分かっていても、計算ができなければ、面積を求めることができません。

参考:大きく2つに分かれる教科の特性~積み上げ型と独立型~ ~ScienceLab 冨田塾~ (s-lab-tomita.com)

数学の例⓶「分母の違う分数の足し算」

また、もう一つ例をあげますと、「異なる分母を持つ分数の足し算」があります。

これも基礎であるいくつかの知識を利用する積み上げ式学習の一つです。

異なる分母を持つ分数の足し算は、通分して分子同士を足すわけですが、通分するには、異なる分母の分数同士の最小公倍数を求めます。

最小公倍数を求めるには、掛け算もできないといけません。

これら二つの例のように、基礎が欠けると問題が解けなくなることは自明です。

簿記で基礎を学んでいない場合

ここで、簿記の話に戻します。

3級の仕訳を知らずに2級の問題は解けない

最初から簿記2級の教科書を開いて問題に取り掛かろうとして、「50円の文房具を現金にて売り上げた。この取引における貸借対照表や損益計算書の空欄を埋めなさい。」という問題が出てきたとします。

これはよくある問題で、空欄に数字や文字を埋めるには仕訳に関する知識だったり、貸借対照表、損益計算書を記入する知識だったりすることが必要です。

簿記2級から貸借対照表や損益計算書の空欄に埋めたりして解く問題について解説などがありますが、その空欄を埋める数字や文字は3級の時点で仕訳の基本は収得しているものとみなされているので、この部分関しての解説などは2級の参考書などにはほぼありません。

簡単な仕訳などの解説

仕訳とは、複式簿記において、取引を金額や勘定科目とともに帳簿に記入し、貸借対照表や損益計算書を作成するための準備をすることです。

現金は「資産」、売上は「収益」に属し、それぞれが増えたら資産は「借方」(左側)、収益は「貸方」(右側)に記入します。

2級の参考書では、3級で学ぶことは省かれた状態で新しい学習がほぼ始まります。帳簿に記入と書かれていますが、この記入についての解説はもちろんありません。また、現金は「資産」といったように勘定科目なども3級でどのような分類か身に付いているものとして始まります。つまり、基本的な勘定科目や仕訳のルールは知っている前提であるということです。

2級でも3級とは別に新たな勘定科目名が登場します。

このようなことから、3級の学習を全くしていない状態で、2級の貸借対照表や損益計算書を正しく空欄を埋められるでしょうか?

少なくとも、この3級の知識である「仕訳」と「財務諸表」の知識が必要となり空欄を埋めるのに重要です。

簿記2級とは高度な商業簿記・工業簿記

商工会議所で以下のように書かれています。

経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。

簿記 2級 | 商工会議所の検定試験 (kentei.ne.jp)

「高度な商業簿記・工業簿記」と書かれています。

つまり、簿記2級というのは、財務諸表の数字、経営内容を把握できるといった高度な知識を求められます。

このようなレベルに対して、簿記の学習を始めたばかりの初学者が、いきなり取り掛かることが可能なのかどうかを取り組む前に考えるべきだと私は思います。

まとめ 簿記3級からが重要

2回に分けて書きましたが、前回では、「簿記を必要とする企業では2級が求められる」の記事で、企業の約7割は簿記2級以上のスキルを求めていることを述べ、就職に有利なのが簿記2級であることがわかりました。

今回は、簿記が数学や英語などと同じ基礎を学んで次の段階の問題を解くのと同じ、積み上げ式学習なので、資格取得で簿記2級から勉強を始めるというのは、おすすめしないことを書きました。

率直に簿記2級を取得するために、3級を飛ばして簿記2級の学習を始めるのは積み上げ式の学習を無視していることとなります。

そのため、学習を始めるには簿記3級からであることが重要です。

  • 簿記の学習のコツ:簿記は積み上げ式の学習であり、基礎である3級から始めることが成功のために必要である。
  • 簿記2級の需要:求人サイトのデータを分析し、経理職の求人の約70%が簿記2級の知識を求めている。
  • 簿記の積み上げ式:仕訳や財務諸表の作成など、簿記の実務に必要な知識は、3級の内容を理解していないとできない。